Residence @Isesaki Hashie
design:Sunao Koase[SNARK] execution: Thinks date: Aug.2009
今回の住宅を計画するにあたっての要望としてある種の"ふつう"さを求められました。
結構デザインとなると奇抜な物とか特殊な物をつくるというイメージを抱きがちだと思いますが、"ふつうである事をデザインする。"というのは住宅においてとても重要で難しい所です。
ただ"ふつう"と言っても、"一般的な"という意味ではありません。
お施主さんにとっての普通。
つまり自然にリラックスできたり、普段着を着ているような感覚の状態。をデザインする。
今回はそれが、建物のスケールだったり、繋がり方だったり、開口部の開き方だったりします。 延べ床面積107.85㎡(約32坪)という群馬ではそんなに大きな面積では無い広さですが、若い核家族の夫婦にはちょうどいいスケールで、その中に色々な場所と収納を分散しています。 リビング階段ではないけど、子供が帰って来たら分かるように。という希望で、直接顔を合わせなくても家全体が気配で繋がっている様な構成。 南面接道ですが、単純に南に開くのではなく南側にどのように建物が建ってもいいように斜に構えた開き方をしています。 建物をコンパクトにする事で得られる家族のつながりや北側の居室でも南からの光が届きやすいというメリットを得る事が出来ました。(もちろんコスト面でも) 延べ床面積が少ない分、床にオークの無垢材を張る事が出来たり。 延べ面積と坪単価の評価だけでは得られない色々な価値がお施主さんの"ふつう"の中に詰まっています。